要約:

  • Ethereumのメインネットがハードフォークした後の4月19日頃には、パフォーマンス、ガスの最適化、モジュール化を目的としたSKALEネットワークの「Denali」アップグレード(Denaliの詳細は後述)が予定されています。
  • SKALEは、唯一の本番環境で稼働するEthereumネイティブなマルチブロックチェーン・ネットワークです。マルチブロックチェーンとは、SKALEには1つのブロックチェーンではなく、多数のブロックチェーンが存在することを意味します。つまり、すべてのアプリケーションには、独自の高性能ブロックチェーン(SKALEチェーンと呼ばれる)が使用されます。
  • SKALEチェーンのアップグレードは、リリース後の構成変更、モジュール化、アップグレードが可能になります。
  • これは、ロールアップ、オラクル、ブリッジ、アナリティクスなどのサービスに対するエコシステムのアクセスが増えることを意味します。

SKALEバリデーターコミュニティーは、数週間の間でテストネットを実施した後、2021年4月14日に予定されているブロック高12,440,00のEthereumメインネット・ベルリン・ハードフォークの後に、SKALEチェーンのアップグレードを実施する予定です。多くの理由によって、バリデーターコミュニティとSKALE開発コミュニティは、フォーク前ではなくフォーク後にアップグレードすることを選択しました。

今回のアップグレードには、多くの重要かつ戦略的なアップデートが含まれています。また、アップグレードと相互運用性の両方に関連して、SKALEネットワークのアーキテクチャを次のフェーズに進めるために、ネットワークの成長を加速させます。

まず、技術プラットフォームにおけるエコシステムがどのように発展していくのかを見てみましょう。彼らはまず、価値の高い、差別化されたコア技術を持っています。このコア技術は、エコシステムにおける中心的な役割を果たします。そして、コア部分の維持と改善に注力する一方で、パートナーは文脈に応じたコンポーネントやモジュール構築を容易にすることに焦点をあてています。

SaaSの素晴らしい例として、Salesforce.comがあります。彼らは基本かつ非常に重要な機能を備えたクラウドCRMデータベースを作成しました。クラウドCRMデータベースは、クラウド・セールス&マーケティングのコアとなる顧客記録データベースです。サポートするツールやサービスのエコシステムを構築するのではなく、プラットフォームをオープンにして、他の企業が追加機能、アプリケーション、サービスを構築できるようにしました。そうしたことで、マーケティング、アナリティクス、注文管理、請求書作成などの短期的な収益を獲得する機会を失いました。しかし、彼らは価値の高いソフトウェアやサービスを開発する企業の巨大なプラットフォームとして、コアとなるforce.comの価値をさらに高めることに成功しました。水平方向の機能をあまり所有しないことで、パイを大きくしてさらに多くのシェアを所有することになったのです。彼らは、パイを広げることでさらに大きなマーケットシェアを獲得しました。

注意点として、SKALEはEthereumネイティブです(詳細はこちら)。これは、SKALEが大部分をEthereumネットワークによって編成及び管理され、オペレーション機能の大部分がEthereum上にあることを意味します。また、SKALEはマルチブロックチェーンです。たった1つのEVMブロックチェーンのネットワークではなく(サイドチェーンでもありません)、高速かつ安全で、Ethereumネットワークと相互運用可能な多くのEVMブロックチェーンです。これらのブロックチェーンはアプリケーションに特化しており、各アプリが独自のブロックチェーンを持っています。これらのアプリケーション固有のブロックチェーンは、SKALEチェーンと呼ばれています。SKALEチェーンは、SKALEエコシステムのコアとなるものです。

ここからは、SKALEネットワークのフェーズについて説明します。

フェーズ 1:

SKALEのビジョンは、高度に構成可能で相互運用可能なブロックチェーンの世界を作ることを目的としています。しかし、分散型ネットワークを構築する際には、技術を段階的に進化させる必要があります。

SKALEチェーンの第1フェーズでは、SKALEブロックチェーン、SKALE IMAブリッジ、SKALEファイルストレージ、SKALE ML、SKALEロールアップを1つのオファーに統合しました。このような世界観の中で、SKALEチェーンは、特定の機能を果たすブリッジなどのサービスがあらかじめ実装されたパッケージでした。 ネイティブではないサービスもSKALE上で動作させることができますが、それはネイティブ・チェーン・サービスのワークアラウンド(回避策)として行われます。これは、各SKALEチェーンに豊富な機能が搭載されていたために有益でした。このアプローチの欠点は、SKALEチェーンを統一された機能の集合体と見なした場合、モジュール性、柔軟性、構成オプションといった、ある種のコア・デザインパターンに反することです。また、サービスのアップグレードや他のソリューションとの相互運用性が損なわれ、特定の分野での成長が制限される可能性もあります。

繰り返しになりますが、このフェーズでは、相互に接続されたEthereumブロックチェーンのグローバルウェブという最終目標に到達するためのステップでした。

フェーズ1 SKALE視点の図

フェーズ2:モジュール化

SKALEネットワークがフェーズ2に進むにつれて、このような暫定状態に進化しました。

フェーズ2 SKALE透視投影の図

フェーズ2における違いは、SKALEチェーンが、ブリッジング、ロールアップ/中央検証チェックソフト、ファイルストレージ、機械学習機能などのチェーンサービスから独立しているとみなされることです。チェーンサービスは独立したものとして見られるだけでなく、交換やアップグレードが可能なようにエンジニアリングの努力がなされています。例えば、DEXがIMAブリッジを統合するようなユースケースがあります。DeFi専用ブリッジがEthereum DeFiコミュニティとすべてのEVMブロックチェーンの事実上の選択肢になることを想像してみましょう。この時点でDEXは、状態を失うことなく、またチェーンをダウンタイムさせることなく、IMAをDeFi専用ブリッジに簡単に置き換えることができます。ロールアップ、ML、ファイルストレージ、オラクルなども同じようにアップグレードが可能です。 このフェーズの限界は、すべてのEthereumエコシステムのサービスを簡単に統合とアップグレードができるようにすることよりも、SKALEのネイティブサービスの統合のしやすさに重点を置いたことです。このフェーズは必要な足がかりとなりましたが、最終目標に近づくためにはフェーズ3が必要であることは明らかでした。

フェーズ3:2021年以降のSKALE

Ethereumネイティブでアプリに特化したブロックチェーンが、さまざまなアプリケーションや業界に価値をもたらす、SKALEエコシステムの未来を見てみましょう。アップグレード性、相互運用性、後方互換性を備えた、より優れたエコシステムの結束を実現するための開発努力により、SKALEチェーンへのプラグ・アンド・プレイによる統合が容易になります。

SKALEネットワーク・モジュラー・アーキテクチャーの最終フェーズ

この世界では、SKALEチェーンを中心として、Ethereum開発者のエコシステムを受け入れる形でオープン化しています。これを実現するために、SKALE開発コミュニティは、サービスの優先度について中立的な立場をとります。「自社発」のサービスを推進するのではなく、多くのサービスを積極的に推進するように努力をします。これにより、SKALEネットワークはツールのエコシステム全体に開放され、特定のブリッジ、ファイルストレージ、オラクル、データクエリ/アナリティクス、ロールアップ/中央検証などの機能がプロダクトマーケットに適合し、サポートされている特定の分野でSKALEが強化されます。

もし、ロールアップ技術が改善された上で一般化され、費用対効果が高くなれば、様々な形態のものを簡単にSKALEネットワークに統合することができるということです。また、SKALEのコア開発者やオープンソースコミュニティがカスタムメイドのロールアップソリューションを作成する必要はなく、ロールアップソフトウェアやロールアップ・オペレーター・サービスを作成・販売している企業がSKALEネットワークとの統合を設計することができます。私は今でも、多くの環境(特にL2)で分散化を必要とする環境下では、ロールアップは必要ないと強く信じています。不正防止や検証ソフトを集権的なサーバーで運用する場合、運用者を運営する主体がユーザーのKYC/AMLを求められたり、各地域の証券取引法やAML法に抵触する可能性が高くなります。また、プルーフ・オブ・ステーク・バリデーターのエコシステムが進化するにつれ、コンセンサス・メカニズムやその使用に伴う複雑性に加えて、検証チェッカーの必要性はさらに低くなります。しかし、独断的ではない方法で様々なロールアップオプションに柔軟に対応できるようになったことで、SKALEネットワークはさらにモジュール化され、オープンで拡張性のあるものになりました。SKALEネットワークは、アプリに特化したガスフリーの高性能EVMブロックチェーンを提供し、開発者が自分たちの仕様に合わせて環境を設計及び構成できるようにします。

最後に皆さんにお伝えしたいのは、SKALEネットワークは単一のブロックチェーンではなく、ブロックチェーン・ユニバースであるということです。そのため、フェーズ3をマクロ観点で見た場合は以下のようになります。

フェーズ3のマクロビュー:SKALEのマルチブロックチェーンユニバースを見る

SKALEユニバース - Powered by SKALEチェーン

次のステップと実行:

次のフェーズに進むために、今後のネットワーク・アップグレードでは、SKALEチェーンの最新機能を搭載し、ファイルストレージ、IMA、MLから切り離すことになります。アプリケーションはSKALEチェーンの利用を開始することで、好きなチーム、会社、ネットワークから好きなサービスを接続することができるようになります。私たちは、開発中のネイティブサービスに対してこれまでと同様に期待をしていますが、それ以上に、より迅速なエコシステムの統合に向けて技術的なスタンスを広げていきたいと考えています。目標は、WEB3.0、DeFi、そしてオープンファイナンスを実現するために、できるだけ多くのチェーンを立ち上げ、サポートすることであり、柔軟で拡張性のあるサービス構造を構築することは、まさにそこに目標を達成するための方法です。

参照先:https://skale.network/blog/skaling-up-an-even-more-modular-and-open-skale-network/